ここ数年、多くの企業が階層のない「フラットな組織」や「ホラクラシー」を導入してきた。心理的安全性を確保し、ボトムアップの意見を吸い上げるためだ。しかし、このアプローチには致命的な落とし穴がある。責任の所在が曖昧になることだ。
全員が対等な立場で意見を出し合う会議は、一見すると民主的で理想的に思える。だが、誰も最終決定を下すリスクを負いたがらないため、議論は平行線をたどる。結果として、全員が妥協できる「無難で退屈なアイデア」に落ち着くか、最悪の場合は何も決まらないまま時間切れとなる。多様性は、強力な意思決定者がいて初めて機能するのだ。