松田聖子さんと神田正輝さんの出会いは、1985年に公開された映画『カリブ・愛のシンフォニー』での共演がきっかけでした。映画のロケ先であるハワイや撮影現場で急接近した二人は、同年にスピード婚約を発表。豪華絢爛な披露宴は「世紀の結婚式」と呼ばれ、日本中から祝福を受けました。
翌1986年には沙也加さんが誕生し、絵に描いたような理想の家庭を築いているかに見えました。しかし、1990年代に入ると次第に夫婦の歩調に乱れが生じ始めます。その最大の要因となったのが、松田聖子さんの本格的な海外進出と夫婦生活のすれ違いでした。
世界を視野に入れた聖子さんは、拠点をアメリカ・ニューヨークなどに置き、プロデュース活動やレッスンに没頭します。一方の神田正輝さんは、日本国内で俳優としての地位を固め、多忙な日々を送っていました。物理的な距離だけでなく、「家庭を守り、良き妻・母であってほしい」という伝統的な価値観と、「世界的アーティストとして挑戦し続けたい」という強烈なプロ意識との間で、修復しがたい乖離が生まれていったのです。
1997年1月、二人は記者会見を開き、離婚を発表しました。会見では憎しみ合っての別れではないことが強調され、神田正輝さんは「お互いを思いやった上での前向きなパートナーシップの解消」と語るなど、円満な合意であることをアピールしました。しかし、長期間にわたる別居生活と目指す人生の方向性の乖離こそが、決定的な離婚理由であったことは間違いありません。