『時代』には複数の公式録音が存在し、それぞれアレンジや歌唱アプローチが大きく異なります。代表的なのが、1975年のデビュー初期シングル版と、1993年にセルフカバーされたアルバム『時代-Time goes around-』収録版です。
1975年盤はアコースティックギターと素朴なストリングスを基調とし、若き日の張り詰めた情感と透明感が前面に出ています。一方、1993年盤は壮大なフルオーケストラサウンドと円熟味を増したダイナミックなボーカルが特徴で、映画『学校』の主題歌やCMソングとしても広く親しまれました。
薬師丸ひろ子による1988年のカバーは、中島みゆき自身が持つ激情とは対照的な、澄み切った歌声によって祈りの側面を際立たせ、大ヒットを記録しました。さらに岩崎宏美、徳永英明、工藤静香、クリス・ハートなど、多種多様なジャンルの歌手によって歌い継がれ、日本のポピュラー音楽史における「スタンダードナンバー」の地位を確立しています。