日本最古のナイルレストランの現在と真相|名物ムルギーランチ徹底解剖

日本最古のナイルレストランの現在と真相|名物ムルギーランチ徹底解剖

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東京・東銀座の晴海通り沿いに建つナイルレストラン。その創業は終戦からわずか4年後の1949年にまで遡ります。創業者である初代A.M.ナイル(アイヤッパン・ピッライ・マーダヴァン・ナイル)氏は、インド独立運動の闘士として日本へ亡命し、第二次世界大戦中も日本とアジアの架け橋として奔走した歴史的偉人です。彼が「日本人に本物のインド料理を伝え、両国の真の友好を築きたい」という崇高な志を掲げて開いたのが、この店舗でした。

当時の日本におけるカレーといえば、イギリス経由で伝わった小麦粉とカレー粉を用いた洋食スタイルが主流でした。そんな時代に、本格的なホールスパイスと現地の家庭的なスパイス調合を持ち込んだ試みは、極めて先駆的でした。初代の情熱と人脈は多くの文化人を惹きつけ、歌舞伎座の役者たちが出前を頼み、文豪たちが語り合うサロンのような役割を果たしていったのです。こうしたナイルレストランの歴史と経緯を知ることは、単なるカレー探訪を超え、日本の近代食文化史そのものに触れる体験といえます。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。