現在、本科では明確に分科されつつも、分野を超えた越境教育が活発に行われている。ポスターやCI、デジタルメディアを手がけるグラフィックデザイン。家電から家具、モビリティまで生活の道具を問うプロダクトデザイン。そして建築、インテリア、展示空間を構築するスペースデザイン。
従来の枠組みなら、これらは別々の専門職として分断されがちだった。しかし現代の都市やビジネスにおいて、グラフィックのない空間は存在せず、空間体験を考慮しないプロダクトは成立しない。桑沢では、分野を横断した合同課題や批評会が日常的に仕掛けられる。
グラフィックの学生が木工室にこもり、スペースの学生が活字のスペーシングに頭を抱える。専門に閉じこもらない「総合的な造形眼」を持つこと。この越境的な視座こそが、不透明な未来において課題を発見し、形を与えるデザイナーの必須要件となっている。