海外のアート愛好家が「Museo Nacional de Arte Moderno de Tokio」と検索してわざわざ足を運ぶ最大の理由は、幕末・明治の開国から大正、昭和、そして現代に至る日本の激動期を、美術を通して一望できる日本最初の国立美術館だからです。1952年に京橋で開館し、1969年に建築家・谷口吉郎氏の設計によって現在の千代田区北の丸公園へと移転した同館は、日本の近代化がもたらした光と影、西洋美術の受容と日本的アイデンティティの葛藤を雄弁に物語るコレクションを体系的に構築してきました。
2026年現在、グローバルな美術界では「非西洋圏におけるモダニズムの再解釈」が一大潮流となっています。単に西洋の技法を模倣したのではなく、独自の伝統や社会的文脈の中で昇華された日本の近代美術は、欧米やアジアのキュレーター、旅行者からも極めて高い評価を獲得しています。その中枢を担うMOMATは、日本の近代美術を世界へ発信する「知のハブ」として、かつてない国際的な存在感を放っているのです。