これまで神経線維腫に対する治療は、外科的手術による切除やレーザー治療など対症療法が主流でした。しかし、神経や血管が複雑に絡み合う叢状神経線維腫は完全な切除が極めて難しく、長年にわたり有効な薬物療法が切望されていました。
この状況を打破したのが、最新治療薬「コセルゴ(一般名:セルメチニブ)」です。細胞の異常増殖シグナルであるMEKタンパク質の働きをブロックする分子標的薬であり、手術による完全切除が不可能な叢状神経線維腫の縮小効果が臨床試験で実証されました。
国内でも小児から成人まで適応拡大やデータ蓄積が進んでおり、腫瘍による圧迫痛の軽減や運動機能の維持において大きな成果を上げています。病気の根本的な遺伝子変異そのものを消し去るわけではありませんが、生活の質(QOL)を保ちながら長期的に共生するための画期的な選択肢となっています。