日本眼科学会が公表している疾患解説によると、目が赤く見える状態は大別して「充血」と「出血」の2種類に分類されます。充血は炎症や酸素不足によって結膜などの細小血管が拡張して赤く見える現象であり、出血は血管そのものが破れて白目と結膜の間に血液が溜まる「結膜下出血」を指します。まずこの2つのどちらに当てはまるかを観察することが、原因特定への第一歩です。
そのうえで、最も直感的な判別基準となるのが「痛みの有無」です。痛みの有無と付随する症状によって、想定される疾患の性質は大きく分かれます。
まず、「目の内側が赤いけれど痛くない」という場合です。痛みが一切なく、白目の内側がベタッと絵の具を塗ったように真っ赤に染まっている場合、代表的な原因は結膜下出血が目の内側に生じているケースです。結膜の微小血管がくしゃみや咳、重いものを持ち上げた際の腹圧、あるいは就寝中の無意識のこすりなどで破綻して生じます。見た目のインパクトは極めて強いものの、視力低下や強い眼痛を伴わない限り、多くは1〜2週間ほどで自然吸収されます。また、紫外線や外的刺激の蓄積によって目頭側の結膜が異常増殖する翼状片の初期症状も、初期段階では痛みを伴わず、充血や軽い異物感のみで進行することが特徴です。
一方、「痛み・異物感・かゆみがある」場合は、感染性または非感染性の炎症が強く疑われます。激しいかゆみや目頭の赤みを伴う場合はアレルギー性結膜炎、朝起きたときに目やにがびっしり付着してゴロゴロ痛む場合は細菌性・ウイルス性の結膜炎が典型例です。さらに、目頭の奥深くに鈍痛や圧痛がある場合は、涙の排出路に炎症が起きる涙嚢炎(るいのうえん)の可能性が浮上します。