昔のお風呂ドア交換は、周囲の壁タイルをハツリ(壊し)、古い枠を取り外して新しい枠を埋め込む大規模な工事が必要でした。工期は数日におよび、費用も20万〜30万円近くかかるのが一般的でした。しかし現代の浴室ドアリフォームは、既存の枠を残したまま新しい枠を被せる「カバー工法」が圧倒的な主流となっています。
1. カバー工法(アタッチメント工法)のメカニズム
古いドア本体だけを取り外し、壁に埋め込まれている既存枠の内側に、専用の新規サッシ枠をビスで固定します。枠の隙間には防水性の高い変成シリコン系コーキングを充填し、最後に新しい中折れ戸や開き戸を吊り込みます。壁や床を一切傷つけないため、騒音や粉塵の発生を大幅に抑えられます。
代表的なメーカー製品の特徴:
- LIXIL(リクシル)「浴室ドア リフォーム用アタッチメント枠」:樹脂パネル仕様で割れにくく、カビが発生しやすいゴムパッキンをなくした「キレイドア」仕様を選択可能。お手入れの手間を劇的に軽減できます。
- YKK AP「かんたんドアリモ 浴室ドア」:現場での加工自由度が高く、歪みが生じた古い枠に対しても微調整が効くアタッチメント構造が特徴。高い気密性とスムーズな開閉フィーリングを実現します。
2. カバー工法のデメリットと事前の確認事項
既存枠の内側に新しい枠を重ねる構造上、「開口寸法(ドアを通る幅・高さ)が上下左右で1.5cm〜2.5cm程度狭くなる」および「下枠の段差が数ミリ高くなる可能性がある」という物理的制約があります。車椅子の出入りや介護を想定している場合、開口幅が狭まることで不都合が生じないかを事前の現場調査でミリ単位で確認することが不可欠です。