行動経済学には「メンタル・アカウンティング(心理的会計)」という概念があります。人間は10万円の航空券を買うときには数千円の差を気にしない一方で、ATM手数料の220円や330円には強い不快感を抱きます。しかしその反面、「まあ、220円くらいなら今すぐ便利さを買ったほうが早い」と、少額ゆえに無意識の妥協を繰り返してしまう認知の歪み(ラテマネー効果)も持ち合わせています。
月に2回、土日にコンビニATMで330円を払って現金を引き出す生活を1年間続けた場合、支払う手数料の総額は年間7,920円に達します。超低金利環境が続く日本において、普通預金の利息で8,000円近くを稼ぎ出すには数千万円単位の預金残高が必要です。つまり、無計画なコンビニATM利用は、銀行に資産を運用してもらうどころか、自ら資産を猛烈な勢いで目減りさせている行為に他なりません。
この冷厳な構造を踏まえ、みずほ銀行のコンビニATM利用に対して「積極的に活用すべき人」と「今すぐ利用スタイルを見直すべき人」の選別基準を提示します。
提携コンビニATMを上手に使いこなせる人の条件
- 給与振込やキャッシュレス利用でマイレージクラブ条件をすでに満たしている人
- 現金を使う機会が月1~2回程度に限定されており、月間利用計画をコントロールできる人
- 公式アプリ「みずほダイレクト」で残りの無料回数を日常的に把握できている人
コンビニATMの利用を今すぐ見直すべき人の条件
- 財布に数千円しか入れず、減るたびに週2〜3回ペースでコンビニに駆け込んでいる人
- 自身のマイレージクラブ加入状況や現在のステージを把握していない人
- 給料日直後やイベント前の土日深夜に、無計画にファミマやセブンに飛び込む習慣がある人
後者に該当する場合、解決策は極めてシンプルです。月初に1ヶ月分の必要現金をみずほ直営ATMか平日日中のイオン銀行ATMで一括して引き出し、普段の決済をQRコードやクレジットカードへ強制的にシフトさせること。これだけで、生涯にわたり数万円規模の不要なコストを完全に遮断できます。