創業から40年以上が経過した現在も、B.stuffのものづくりに対する哲学は一切揺らいでいません。大量生産・大量消費が限界を迎え、本物志向への回帰が進む市場において、なぜこのブランドがこれほどまでに愛好家の心を捉えて離さないのか、現場取材と分析から導き出された理由は3点に集約されます。
第一に挙げられるのが、「服を着るように持つバッグ」という独自のデザインコンセプトです。多くの本革バッグが重厚感や構築的な美しさを追求するあまり、バッグ単体で1kgを超えることも珍しくありません。一方、B.stuffの製品は手に取った瞬間に誰もが驚くほどの軽さと、身体のラインに吸い付くようなしなやかさを備えています。厳選された原皮の持ち味を最大限に引き出す鞣し(なめし)加工が施されており、持っていることを忘れさせるほどの快適性を生み出しています。
第二の理由は、日本の熟練職人による手作業への徹底したこだわりです。裁断から縫製、仕上げに至るまで、国内の工房で職人が一つひとつ丁寧に仕立てています。機械的な画一化を避け、革ごとの個性やシボ(表面のシワ模様)の出方を見極めながら針を落としていく工程は、まさに公式が掲げる「A little piece of art(日常にさりげない芸術を)」そのものです。
第三の理由は、機能美と耐久性の融合です。どんなに美しいバッグであっても、開閉がしづらかったり荷物が整理しにくかったりしては日常使いに定着しません。B.stuffはポケットの配置、ファスナーの滑らかさ、肩掛けした際の持ち手の当たり具合に至るまで、使い手の所作をミリ単位で計算し尽くしています。使い込むほどに持ち主の身体に馴染み、手放せない道具へと昇華していくプロセスが、熱心なファンを惹きつけてやみません。