「家電量販店まで出向くのが面倒だから」と、一般家庭ごみと一緒に廃棄しようとする行為は極めて危険です。現在、全国のほぼすべての地域において、自治体の燃えないゴミでモバイルバッテリーの回収は不可と指定されています。
その背景にあるのは、ごみ収集車や中間処理施設での凄惨な火災事故の急増です。環境省や東京消防庁の公表資料によると、リチウムイオン電池が起因とみられる廃棄物処理施設等の火災は年間数千件規模で発生しており、作業員の生命を脅かすだけでなく、数十億円規模の施設損壊をもたらす重大な社会問題へと発展しています。
リチウムイオンバッテリーは極めて高いエネルギー密度を有しており、収集車の回転板に巻き込まれて圧縮・破砕されると、内部のセパレータ(絶縁体)が一瞬で破壊されます。プラス極とマイナス極が短絡することで、数秒のうちに数百熱を超えるガスを噴出し、爆発的な勢いで発火します。この「物理的破壊による熱暴走」こそが、自治体が通常収集を完全に拒絕している最大の論理的根拠です。