完璧な美しさを追求する一方で、この企画のバラエティとしての生命線を支えていたのが、惜しくも奇跡に至らなかった失敗写真の存在でした。どれほどの一流プロが手を尽くし、数千枚のシャッターを切ったとしても、被写体の骨格や肉付き、ふとした瞬間の表情の崩れによって、どうしても奇跡が成立しないケースが発生します。
顎のたるみがテーピングの限界を超えて露呈してしまったカットや、目を見開きすぎて異様な緊張感が漂ってしまったカット、あるいは決めのポーズをとったつもりが往年のプロレスラーのようになってしまった無残な記録。スタジオでロンドンブーツ1号2号の田村淳が容赦なくそれらの失敗作をスクリーンに晒し上げ、出演者たちが赤面しながら突っ込みを入れる一連のくだりは、番組屈指の爆笑パートとして親しまれました。この「極上の美」と「無残な失敗」という強烈なコントラストがあったからこそ、奇跡として選ばれた1枚の輝きが一層際立つという構造美が成立していたのです。
この二層構造のエンターテインメントは、やがて「奇跡の一枚カレンダー」という巨大な商業的成功へと発展します。テレビ朝日の公式ショップや大手書店に予約が殺到し、毎年数万部規模のセールスを記録。購入したファンからは「リビングに飾ると元気がもらえる」「月替わりの変身ぶりが毎日の活力になる」といった熱い声が寄せられ、バラエティ番組のグッズ展開における金字塔を打ち立てました。