露店街を歩いていると、焼きそばやたこ焼きと並び、必ず長蛇の列を作っているのが唐揚げブースです。なぜ唐揚げは屋台出店者にとって主力であり続けるのか――その背景には、緻密に計算された屋台唐揚げ原価と儲けの仕組みがあります。
露天商の現場において、主原料となる鶏肉の主流はキロ単価が安定しているブラジル産鶏もも肉(またはむね肉)のモモ一枚肉ブロックです。業務問屋からの仕入れ価格は時期により変動するものの、1パック200g(大ぶりの唐揚げ4〜5個)に換算した肉原価は約100円〜120円程度。粉・油・濃縮タレ・舟形トレイ・割り箸・レジ袋などの消耗品包材をすべて合算しても、資材原価は1食あたり130〜150円前後に収まります。
それを1パック600円〜800円でスピード販売するため、粗利率は驚異の75%〜80%に達します。もちろん、露店の出店には神社仏閣やイベント主催側へ支払う場所代(出店料)、プロパンガスや発電機の燃料費、衛生管理保冷設備、スタッフの人件費が重くのしかかります。しかし、唐揚げは「油に投入して揚げるだけ」というワンオペレーションに近い回転率を誇るため、ピーク時には1時間あたり数十パックを捌くことが可能であり、雨天リスクを抱える露天商にとって強力なドル箱商品として君臨しています。