大衆の羨望を集める有名人が、なぜ誰の助けも借りられずに孤立してしまうのか。その背景には、芸能界という特殊な業界構造と、表現者特有の心理的トラウマが存在します。
第一の要因は、人間不信と搾取のトラウマです。若くして成功したタレントの周囲には、利益目当ての取り巻きや怪しげな投資話を持ちかける人物が群がります。金銭トラブルや裏切りを経験した芸能人は、強固な防衛本能から「誰も信じられない」という心理状態に陥り、健全な人間関係まで自ら切断してしまう傾向があります。
第二に挙げられるのが、「元スター」としてのプライドが招くセーフティネットの遮断です。一般社会であれば、生活困窮に陥った際に生活保護の受給や公的相談窓口を頼ることができます。しかし、顔が全国に知られている元女優の場合、「落ちぶれた姿を世間に晒したくない」「みっともない真似はできない」という自尊心が邪魔をし、行政や福祉へのSOSを自ら封じてしまいます。部屋の掃除や食事の摂取すら放棄するセルフネグレクト(自己放任)へと滑り落ちる速度は、社会的地位の高かった人ほど急速です。