この歴史的な局面において、主要キー局や公共放送も指をくわえて静観しているわけではない。日本テレビは、世界的な認知度を誇るアニメーション制作会社スタジオジブリを子会社化するなど、自社IP(知的財産)の獲得と海外ライセンス展開へのシフトを急ピッチで進めている。枠を売る広告モデルから、コンテンツそのものを世界市場へ輸出する事業体への変革を狙う。
一方で公共放送のNHKも、受信料制度の改定やネット同時配信の本格化を見据え、デジタル領域でのプレゼンス向上を目指している。民放では制作コストの観点から継続が難しくなりつつある重厚なドキュメンタリーや海外取材コンテンツを強みとし、国内外へのデジタル配信を強化する。しかし、ネット展開を広げれば広げるほど民業圧迫という批判に晒され、受信料の妥当性を問われるという構造的なジレンマに直面している。