一方で、SNSや大手美容Q&Aサイトでは「毎日湯船に浸かっているのに頬がカサつく」「お風呂上がりに肌が突っ張って痒くなる」といった切実な悩みが数千件規模で投稿されています。美容皮膚科の臨床現場でも、丁寧なスキンケアを施しながらも入浴習慣そのものがお風呂による肌の乾燥原因を作り出している患者が後を絶ちません。
取材に応じた30代の都内在住女性は、次のように当時の体験を振り返っています。「冷え性を治そうと42℃の熱めのお風呂に毎日30分以上浸かる『汗出し入浴』を実践していました。代謝が上がると信じ込んでいたのですが、数週間後にはすねやデコルテが粉を吹いたように白くなり、顔も赤みを帯びて皮膚科に駆け込む事態になりました」。
日本皮膚科学会の専門医らによる解析では、長時間の温浴によって細胞間脂質(セラミドなど)や天然保湿因子(NMF)が水中に溶け出し、角層のラメラ構造が崩壊することが実証されています。肌を潤すはずのお湯が、過度な温度と滞留時間によって「天然の保湿シールドを洗い流す溶剤」へと豹変してしまう実態が、生活者の声からも浮き彫りになっています。