「九州・熊本は南国だから冬も暖かく、雪など降らない」という認識は、県外からの転入者や観光客が抱きがちな典型的な誤解です。熊本市は周囲を山地に囲まれた盆地状の平野部であるため、冬場の夜間に地表の熱が奪われる「放射冷却現象」が強く働きます。氷点下近くまで冷え込み、路面凍結が発生する日も珍しくありません。
また、夏場の風が止まる現象は地元で「肥後の夕凪(ゆうなぎ)」と呼ばれ、湿度80%を超える熱気が市街地に滞留します。この現象により、日没後も気温が28℃を下回らない「超熱帯夜」に近い状態が生まれ、夜間熱中症のリスクが跳ね上がります。
「九州=温暖」という固定観念を捨て、内陸性特有の過酷な寒暖差と湿度のトラップを正しく認識することが、安全な都市生活を送るための第一歩です。