服にファンデーションがついた際、真っ先に水で洗い流そうとするのは逆効果です。大手化粧品メーカーの処方データが示す通り、近年のベースメイク製品は「汗や皮脂で崩れない」ことを目的に、シリコーンオイルや高密着ポリマーなどの耐水性油分がふんだんに配合されています。
ファンデーションの構造は、主に以下の2つの要素で成り立っています。
- 油性成分(シリコーン、エステル油、植物油):肌に伸び広がり、撥水膜を形成する基剤。
- 不溶性顔料(酸化チタン、酸化鉄、マイカ等の鉱物粉体):色味を出しカバー力を生む微粒子。水にも油にも溶けない性質を持つ。
ここに水をつけて擦ってしまうと、油分が水を弾いて乳化せず、水圧と摩擦によって微粒子顔料だけが繊維のミクロの隙間へ強固に入り込みます。結果として「油膜でコーティングされた微粒子が繊維に絡みつく」という最悪の状態を作り出してしまうのです。ファンデーション汚れを落とす鉄則は、「まず油分を溶かして浮かせ、その後に顔料を繊維の外へ物理的に叩き出す」という二段階の分解アプローチにあります。