ネット上の進路相談掲示板などでは、「中学生の学習範囲などたかが知れている。1年集中すれば誰でもトップ校に受かる」といった楽観論が散見されます。しかし、現場の教育関係者が語る高校浪人成功率はそれほど甘くありません。実質的な第一志望合格率は20%から30%程度に留まるというのが現場の実感値です。
失敗に終わるケースで頻出する高校浪人デメリットと落とし穴は、以下の3点に集約されます。
第一に、「学習範囲の狭さゆえのモチベーション枯渇」です。大学受験であれば、広大な出題範囲と高度な専門知識の習得に1年間をフルに費やす意義があります。しかし高校入試の範囲は中学校3年間の履修内容に限られており、夏休みを過ぎたあたりで演習問題が一巡してしまいます。「これ以上何を勉強すればいいのかわからない」という停滞感に陥り、秋口以降に学力が伸び悩む現象が多発します。
第二に、「内申書(調査書)の制度的ハンディキャップ」です。公立高校の一般入試では、中学校が作成する内申書が配点の一部を占めます。浪人生の場合、前年の中学卒業時の内申書がそのまま教育委員会に送られる自治体が多く、浪人中の1年間でどれだけ努力しても内申点を上乗せすることはできません。当日の学力検査重視枠を狙うしかなく、現役生以上に試験本番の1点勝負に追い込まれます。
第三に、「高校進学後の人間関係の違和感」です。苦難の末に合格を果たしても、入学した教室にいるクラスメイトは全員が1歳年下です。最初の自己紹介で年齢を明かすべきか隠すべきか、部活動で年下の先輩に敬語を使うべきかといった些細なギャップが、高校浪人後悔の要因として後を絶ちません。本人が周囲の目を一切気にしない芯の強さを持っていなければ、高校入学後に再び孤立するリスクを孕んでいます。