「ポートテラスカフェ」に足を踏み入れると、まず耳に飛び込んでくるのは多彩な言語の響きだ。英語、スペイン語、アラビア語、そしてフランス語。聞こえてくる会話の主は、世界各国から集まった行政官や技術者たちである。
提供されるメニューの幅広さには目を見張るものがある。ムスリムに対応したハラール認証料理をはじめ、ベジタリアンやヴィーガン向けのプレート、世界の郷土料理が日替わりで並ぶ。港を一望するテラス席で提供される一皿は、単なる食事ではない。異文化理解の最も手軽で確実な入口として、地域住民やオフィスワーカーを引き寄せて離さない。皿の上に載ったスパイスの香気の中に、現代の国際社会が直面する宗教的・文化的な配慮の最前線が見えてくる。