来生たかおの通算10枚目となるシングル「Goodbye Day」の発売日は1981年5月21日でした。当時の日本の音楽シーンは、歌謡曲の黄金期からニューミュージック、そして洗練されたAOR(Adult Oriented Rock)へとリスナーの嗜好が急速にシフトしていた過渡期にあたります。
本作は、1981年5月からTBS系列で放送された大人の恋愛群像劇『愛の滑走路'81』のドラマ主題歌として書き下ろされました。ドラマの制作サイドから求められたのは、大人の男女が直面するすれ違いや、決して後戻りできない時間の残酷さを包み込むような、上質で重厚なメロディでした。当時の音楽プロデュース現場の証言によると、来生たかおはピアノに向かい、劇中の登場人物たちが抱える孤独と優しさを音符へと昇華させていったと伝えられています。
1981年7月には、このシングル曲を核としたスタジオアルバム『Sparkle』がリリースされ、オリコンチャート上位にランクイン。翌1982年に大ヒットを記録する名曲「夢の途中(セーラー服と機関銃)」の前夜にあたるこの時期に、来生たかおの代名詞である「哀愁を帯びたメロディライン(マイナーコードを基調としながらも都会的な洗練を失わない響き)」は、すでに完全な完成形へと到達していました。