「青々とした葉は増えるのに、鮮やかな花が咲かない」という悩みも極めて一般的です。ここで認識すべき前提は、アンスリウムの赤や白に色づく部分は花弁ではなく、葉が変化した「仏炎苞(ぶつえんほう)」であり、中心の円柱状の肉穂花序(にくすいかじょ)こそが真の花壇であるという事実です。
アンスリウムの花が咲かない理由の筆頭は、日照エネルギーの絶対量不足にあります。「耐陰性がある」という流通時のキャッチコピーを過信し、部屋の奥まった日陰や廊下に配置すると、個体は生命維持(葉の光合成)を最優先し、生殖活動である花芽の分化を完全に停止させてしまいます。アンスリウムの置き場所は直射日光を避けた「明るい間接光(照度約1,500〜3,000ルクス)」が必須であり、レースのカーテン越しに木漏れ日が届く南向き・東向きの窓辺が理想的な育成ゾーンとなります。
第二の要因は栄養バランスの偏りです。観葉植物用の一般的な液肥は葉を茂らせる窒素(N)成分が多く設計されているケースが目立ちます。仏炎苞を次々と立ち上げるためには、リン酸(P)やカリ(K)が強化されたアンスリウムの肥料おすすめ設計(N-P-K比が6-10-5などの開花促進型)を、春から初秋の生育期に規定倍率で定期施用することがブレイクスルーにつながります。