神鍋山が位置する兵庫県豊岡市の一帯は、国境を越えた地学的な価値が認められ、ユネスコが認定する「山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク」の重要な拠点となっている。単に景色を眺めるだけの観光から脱却し、地形や地質、そこに暮らす人々の文化や歴史を一体として学ぶ「ジオツーリズム」の波が、この神鍋高原にも力強く押し寄せている。
現地では、地元のジオガイドが火山噴火の歴史や溶岩流がもたらした地形の成り立ちを分かりやすく解説するツアーが人気を集めている。足元の石ころ一つにも、何千年前のマグマの冷却プロセスや地球の鼓動が刻まれていることに気づかされる。自然そのものが巨大な博物館なのだ。