純正律とは?濁りなき奇跡の響きと平均律に隠された最大の弱点

純正律とは?濁りなき奇跡の響きと平均律に隠された最大の弱点

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Q1:ピアノを純正律で調律してショパンやドビュッシーを弾くことはできますか?
A1:現実的には極めて困難です。ショパンやドビュッシーの楽曲は複雑な転調、借用和音、異名同音(シャープとフラットの読み替え)を多用して書かれています。特定の調に合わせた純正律のピアノでこれらを演奏すると、曲の途中で激しい不協和音(ウルフ音)が発生し、美しく響かせるどころか聴くに堪えない濁音になってしまいます。

Q2:吹奏楽の合奏中、長三度を「14セント下げる」と教わりましたが、音程が低すぎて気持ち悪く感じます。慣れの問題でしょうか?
A2:はい、現代の生活環境による「耳の慣れ」が大きく関係しています。テレビやスマートフォン、街中で流れる音楽の99%以上が平均律であるため、私たちの耳は平均律の高い長三度を「標準」と誤認しがちです。しかし、単音ではなく和音の土台(根音と五度)と一緒に鳴らして耳を澄ませてみてください。ピッチを下げてうなりが完全に消えた瞬間、和音が突然太く吸い付くように安定する心地よさを実感できるはずです。

Q3:DTM(デスクトップミュージック)やボーカロイド楽曲でも純正律は使われていますか?
A3:高度な制作環境では意図的に活用されています。近年の主要なDAW(音楽制作ソフト)やソフトウェア音源には「マイクロチューニング機能」や「スマートコードチューニング機能」が搭載されており、打ち込まれた和音をリアルタイムで検知して、その瞬間だけ純正律の比率に音高を自動微調整する技術が実用化されています。ボーカルのハモリトラックだけピッチ補正ソフトで数セントずらし、濁りを消して抜けを良くする手法もプロの現場では一般的です。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。