セフィラ同士を結ぶ直線は「22の小道(パス)」と呼ばれ、ヘブライ語の22文字に対応しています。この22という数字が、タロットカードの主要カードである「大アルカナ(22枚)」と完全に一致している事実は、オカルティズム史における最大の転換点でした。この生命の樹タロット対応の真相を語る上で欠かせないのが、19世紀末のイギリスで創設された魔術結社「黄金の夜明け団(ヘルメティック・オーダー・オブ・ゴールデン・ドーン)」の功績です。
団の創設者マグレガー・メイザースや、後に独自のタロットを生み出したアーサー・エドワード・ウェイト、アレイスター・クロウリーらは、カバラのパスにタロットカードを緻密に配置しました。たとえば、愚者のカードはケテルとコクマーを結ぶ第11のパス(ヘブライ文字アレフ)に、魔術師はケテルとビナーを結ぶ第12のパス(ベート)に割り当てられています。
この対応関係により、タロットは単なる当てモノの占いから「魂の進化プロセスの段階地図」へと昇華しました。パスの役割とは、異なるセフィラ間の心理的葛藤を架橋することです。たとえば、ネツァク(感情)とホド(理性)の間で引き裂かれそうなとき、その二つを繋ぐ第27のパス(「塔」のカードに対応)を通過することで、固定観念が打ち砕かれ、ティファレト(調和・本質)へと意識を引き上げることができます。タロットを学ぶ者が生命の樹を避けて通れないのは、絵柄の背後にこの幾何学的ネットワークが網の目のように張り巡らされているからです。