初期の成蟜と嬴政の関係は、互いに血を流し合う「骨肉の仇敵」でした。しかし、呂不韋という強大な政敵を前に、嬴政が成蟜の陣営を取り込むべく直接対話を重ねたことで、二人の関係は「王位を争うライバル」から「秦国の未来を託し合う唯一無二の理解者」へと変貌を遂げます。
成蟜は屯留へ出陣する直前、嬴政に対してこう告げています。「オレを誰だと思っている」。自らが王族の誇りにかけて呂不韋の企みを打ち砕き、政の路を切り拓くという強固な決意の表れでした。
そして命尽きる間際、成蟜は瑠衣に対し、自らの勢力をすべて嬴政に合流させるよう遺言を残します。「俺の全てをあいつ(政)に預ける。あいつを支えてやれ」と命じ、さらに嬴政へ向けて遺した魂の名言が炸裂します。
「初めて貴様を認めてやる。だから必ず中華を統一しろ。できねばオレが化けて出て貴様を呪い殺してやるぞ」――。
罵倒の形を取りながらも、中華統一という途方もない夢を兄に託し、全幅の信頼を寄せたこの台詞は、二人の確かな絆を証明する名場面として語り継がれています。