盛岡第一高校を語る上で避けて通れないのが、創立以来受け継がれてきたバンカラ文化の象徴である「応援歌練習」の存在です。春の入学式直後、新入生を迎えるこの伝統行事については、SNSやネット掲示板で「理不尽に厳しいのではないか」「現代の教育方針に合っているのか」といった議論が巻き起こることがあります。
報道各社の取材データや卒業生の手記、自著で語られた生の声によると、応援歌練習は黒の学ランに身を包んだ応援団幹部が新入生に対して大声での歌唱指導や規律を徹底的に叩き込む、極めて厳粛かつ過酷な期間として知られています。新入生は喉を枯らし、極限の緊張感の中で校歌や幾つもの応援歌を暗記させられます。
かつて体験した卒業生は、当時の心情を次のように述懐しています。「初日は恐怖と戸惑いしかありませんでした。しかし、練習を終えた最終日に全校生徒で歌った校歌の響きは、一生忘れられない一体感をもたらしてくれました。あの試練を同期全員で乗り越えたという経験が、その後の厳しい大学受験や社会人生活での折れない心の土台になっています」。
現代においては、教育的な配慮や時代の価値観に即して指導内容の点検が行われており、過度な身体的負担は是正されつつあります。それでも「白堊の誇り」を共有するための精神的イニシエーションとしての性格は保たれています。
一方、秋に開催される文化祭「白堊祭(はくあさい)」では、応援歌練習の厳格さとは打って変わって、生徒主体の自由闊達なエネルギーが爆発します。企画立案から運営、装飾、広報に至るまで教員の手を借りず生徒自治会が主導する文化は、自主独立を掲げる盛岡一高のもう一つの真骨頂です。ネット上の口コミでも「自主性に任されているため、何かに没頭したい生徒にとっては最高の環境」という高い満足度が多数を占めています。