ネット検索を行うと、「履正スイミングクラブ十三は指導が厳しすぎてスパルタ教育だったのではないか」という噂や誤解が散見されます。この背景には、「履正社」という名門校が持つ高校野球や各種競技スポーツでの圧倒的な強豪イメージが影響しています。
実態としては、一般クラスと競技クラスで完全に指導理念が切り分けられていました。健康増進や基礎習得を目指すジュニアクラスでは、無理な追い込み指導は一切行われておらず、褒めて伸ばすスタイルが徹底されていました。一方で、ひとたび履正スイミングクラブ十三の選手育成コースに足を踏み入れれば、全国レベルを目指す過酷な練習メニューが課されるという、極めて明瞭な二面性を持っていたのです。
また、現在の十三・淀川区エリアにおける地域水泳の勢力図も大きく変わりました。同クラブの撤退後、大阪市淀川区のスイミングスクール需要は、以下のような受け皿へ分散しています。
- 大手総合フィットネスクラブの併設スクール:十三駅周辺や西中島南方方面にあるジムで、近代的な温水プールとWeb予約システムを備えた施設。
- 大阪市淀川屋内プール(公営施設):神崎川近くに位置し、コストを極力抑えて自主練習や単発講習を受けたい層の受け皿。
- 近隣区(西淀川区・豊中市・吹田市)の競泳専門スクール:選手育成コースで本格的に全国大会を目指していたジュニア選手たちの移籍先。
専門学校が地域に提供していた「高水準かつ低価格」という特有のインフラが喪失したことで、保護者は「利便性の大手」か「育成力に特化した遠方のスクール」かの二者択一を迫られる構造へ変化したのです。