一時期は全国に広がりを見せていたコールドストーンが、なぜこれほどまでに店舗数を減らしたのか。業界の動向および流通経済の観点から分析すると、閉店理由には主に3つの構造的要因が関係しています。
1. 「体験型消費」の賞味期限とブームの過熱・沈静化
日本初上陸当時のコールドストーンは、SNS前夜のテレビ・雑誌メディアで爆発的に取り上げられました。しかし、「目の前で歌いながら混ぜる」という強いフックは、一度体験すると満足してしまう一過性のリピート低下を招きやすい側面がありました。日常的に食べるアイスとしては贅沢品であり、ブームが落ち着いた後の客数維持が課題となったのです。
2. 高額な固定費と競合スイーツの台頭
繁華街の一等地に大型店舗を構えるスタイルは、高額な家賃と人件費を必要とします。2010年代以降、高級かき氷、タピオカ、アサイーボウル、高級パフェ専門店など次世代のトレンドスイーツが次々と登場し、若年層の可処分所得と注目が分散。客単価と回転率のバランス維持が難しくなりました。
3. ブランドの選択と集中による事業構造改革
事業ライセンスの承継や経営体制の見直しの中で、不採算となりやすい都心路面店から撤退し、確実に集客が見込める観光地・アウトレットモールへリソースを集中させる戦略的撤退が行われました。単なる「衰退」ではなく、ブランド価値を守りながら利益を確保する筋肉質な運営モデルへの転換が図られた結果といえます。