扉を開けた瞬間に広がるのは、日常のルールが通用しない別世界だ。名前が示す通り、淡い水色を基調とした淡いトーンの照明や、今では再現不可能なアールデコ調の曲線デザインが随所に散りばめられている。職人が手作業で仕上げたであろう壁紙や、妙に存在感のある丸いベッドは、見る者を圧倒する。
スマートフォンのカメラ越しに見るその空間は、フィルターなしでも十分に「映える」。計算し尽くされた現代の映えスポットとは違い、そこにはかつてのデザイナーたちが大真面目に追求した「夢の世界」がそのまま残されている。その不器用なほどの情熱が、見る人の心を揺さぶるのだ。