ソーシャルメディア上の匿名告白、転職クチコミサイトの退職理由、5ちゃんねるの業界スレッドなどを綿密に追跡すると、多くの組織が「至上命題の至上目的化」によって崩壊の危機に瀕している生々しい実態が浮かび上がります。
オープンワーク等の社員クチコミに投稿された現場社員の手記には、痛烈な叫びが散見されます。「『顧客第一』を掲げながら、経営陣が現場に突きつけるのは『当月売上の達成こそが至上命題だ』というプレッシャーばかり。いつの間にか売上目標の達成そのものが至上目的にすり替わり、不要なオプション契約を強引に結ばせる不正が横行した」という告発は、その典型例です。
昭和・平成期の日本企業に見られた「モーレツ社員文化」や、結果至上主義の営業組織では、数字(中間指標)を追い求めることが過剰に適応され、本来の存在理由が見失われてきました。結果として社員のエンゲージメントは崩壊し、2024年から2026年にかけて相次いだ大手メーカーの品質データ改ざんや金融機関の不適切営業といった不祥事の深層にも、この「命題と目的の倒錯」が横たわっています。