紙の椅子の真価が最も問われ、社会的な評価を高めているのが災害時の避難所や防災備蓄の現場だ。地震や水害などで避難生活が長期化する際、体育館などの硬く冷たい床に直接座り続ける「雑魚寝」は、エコノミークラス症候群や低体温症、感染症のリスクを大幅に引き上げる。
そこで導入が進んでいるのが、工具不要ですぐに組み立てられるダンボール製の椅子や簡易ベッドだ。床面から数十センチ高さを確保するだけで、床からの冷気や埃の吸い込みを遮断し、足腰への負担を劇的に軽減できる。
自治体や企業が備蓄する観点からも、折りたたみ時のコンパクトさは極めて優秀だ。少スペースで数千人分の椅子を備蓄でき、緊急時にはトラック1台で大量輸送できる機動力がある。座面下に収納スペースを備えたタイプも多く、限られた避難スペースを有効活用できる防災アイテムとして不可欠な装備となっている。