調剤薬局大手のアイセイ薬局が運営する情報媒体や、押上クボ鍼灸院、錦糸町はり灸院といった臨床の最前線に立つ鍼灸師たちの証言によると、咳止めツボの有用性は広く認められている一方で、一般ユーザーの実践において「押し方の間違い」によるトラブルも散見されます。
SNSや大手Q&Aサイトの生の声を集約すると、「電車内で天突を強く押しすぎて逆に激しく咳き込んでしまった」「合谷を長時間押し続けて手の甲が内出血した」といった失敗例が少なくありません。これに対し、臨床鍼灸師は「ツボ押しは筋力トレーニングではなく神経反射の誘導であるため、力任せに押すことは逆効果である」と警鐘を鳴らしています。特に天突は、強く押しすぎると迷走神経反射によって血圧低下や失神を招く危険すらあるため、触れる程度の微弱な圧から始める慎重さが求められます。
また、ネット上では「ツボを押せばあらゆる咳が一瞬で治る」という誇大広告じみた言説も一部に見られますが、これは完全な誤解です。ツボ刺激はあくまで過剰な神経反射を一時的にブロックし、筋緊張を和らげる対症療法に過ぎません。ウイルス感染による急性気道炎やアレルギーによる気道過敏そのものを一瞬で消滅させる魔法ではないという冷静な認識を持つことが不可欠です。