初心者が頭を抱えるもう一つの重要な選択肢が、「液タブとiPadの違いはどっちが良いのか」という問題です。Apple Pencilを組み合わせたiPad(ProまたはAir)は、いまやデジタルイラスト制作の主役に躍り出ています。
iPadの最大の強みは、「究極の機動性とディスプレイの発色」です。電源コードを何本も繋ぐ必要がなく、ベッドの上でも、カフェでも、リビングのソファでも好きな場所で瞬時に絵を描き始められます。さらに、Retinaディスプレイの解像感と発色の美しさは、一般的なエントリー〜ミドルクラスの専用液タブを凌駕しています。日常的なWebブラウジング、動画鑑賞、ノートアプリなど多目的に使えるため、「もし絵を描かなくなっても無駄にならない」という精神的な安心感は初心者にとって最大の保険になります。
しかし、本格的なイラスト・漫画制作においては据え置き型液タブにも明確な分があります。デスクトップPCに接続した液タブは、何千枚ものレイヤーを重ねた重いファイルでも動作が重くならず、巨大なブラシサイズでもラグが発生しません。何より、WindowsやmacOSのフル機能版「CLIP STUDIO PAINT」や「Photoshop」のデスクトップUIを、16〜24インチの広大な画面で扱える点はプロフェッショナルな制作環境として譲れないアドバンテージです。
「いつでもどこでも手軽に高精細な絵を描きたい」ならiPadが最有力候補となり、「自室のデスクに腰を据えて、大画面で重厚な作品づくりに没頭したい」なら据え置き液タブが最適な選択となります。