隠し味は無限の可能性を秘めていますが、すべての人やシチュエーションに無条件でおすすめできるわけではありません。求める味のゴールや食べる人の構成に応じて、適切な選択基準を持つことが求められます。
こんな人・シチュエーションには隠し味がおすすめ
第一に、「市販の特売ルーを使って、手軽に外食クオリティの重厚感を出したい人」です。インスタントコーヒーやビターチョコレート、ウスターソースの組み合わせは、煮込み時間を数時間短縮したかのような錯覚をもたらします。第二に、「翌日のカレーの味が落ちやすいと感じている人」です。にんにくやオイスターソースなどのアミノ酸を初期段階で仕込んでおくことで、一晩置いた際の熟成度合いが格段に安定します。
隠し味の多用を慎重に控えるべき条件
一方で、「スパイスのフレッシュな抜け感や、ハーブの香りをダイレクトに楽しみたい人」にはおすすめできません。チョコレートや味噌、バターなどの濃厚な隠し味は、カルダモンやコリアンダーといった繊細なスパイスのアロマを油分や苦味で覆い隠してしまう(マスキングしてしまう)傾向があります。また、「小さな子どもや高齢者が同居している家庭」では、カフェインを含むコーヒーやアルコール分を含む洋酒、辛味を強調する発酵調味料は避け、ヨーグルトやりんごなどのマイルドな素材に限定するのが鉄則です。