第10使徒との戦いの結末は、エヴァンゲリオンという物語の命運を決定づける歴史的転換点となりました。碇シンジは、一度はエヴァを降りたものの、廃墟と化したジオフロントとレイの犠牲を目の当たりにし、再び初号機へ搭乗します。
内部電源喪失からの覚醒:擬似シン化第1形態の降臨
アンビリカルケーブルを切断され、内蔵バッテリーの限界を迎えた初号機は一度活動を停止しました。しかし、「綾波を返せ!」というシンジの激しい自我と執念に呼応し、初号機は人間が制御可能な人造人間の枠組みを突破。目が赤く輝き、頭上に光の輪(エンジェルハイロゥ)を出現させた「擬似シン化第1形態」へと変貌を遂げました。
覚醒した初号機の圧倒的な力は、最強を誇った第10使徒をも完全に凌駕しました。
- 切断された左腕を自らのA.T.フィールドで「光の巨腕」として即座に再構築。
- 第10使徒が放った最大出力の光線を、咆哮と視線のみでかき消し逆に切断。
- 幾重にも展開された第10使徒のA.T.フィールドを素手で引き裂き、使徒の肉体を拘束。
シンジは使徒のコアに深く手を突き入れ、その内部に取り込まれていた綾波レイのサルベージを敢行。引き抜かれたレイの魂と肉体が初号機と一体化すると同時に、第10使徒の肉体は崩壊し、巨大な血の十字架を吹き上げて爆散・完全消滅しました。
救済が招いた悲劇「ニアサードインパクト」
使徒の殲滅という目的は達成されたものの、人の身でありながら神に近い領域へと足を踏み入れた初号機は、ガフの扉を開き「ニアサードインパクト」を誘発。のちの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で明かされる、荒廃した世界(サードインパクトの爪痕)を生み出す直接のトリガーとなってしまったのです。