災害社会学および心理学の領域では、危険が迫っているにもかかわらず「自分だけは大丈夫」「まだ誰も避難していないから平気だ」と思い込む正常性バイアスや多数派同調バイアスが、避難行動を遅らせる最大の障壁として研究されています。家族の命を守るためには、直感に頼らず客観的な指標で動く「避難スイッチ」を事前に決めておく必要があります。
内閣府が定める避難指示警戒レベルにおいて、自治体から「レベル4(避難指示)」が発令された段階で、対象地域の全員が危険な場所から避難しなければなりません。夜間の猛烈な雨風の中での移動はかえって命の危険を伴うため、浸水想定区域内に自宅がある場合は、警戒レベル3(高齢者等避難)の明るい時間帯に垂直避難(建物の2階以上・崖と反対側の部屋)を完了させるのが鉄則です。
安全確保において、外出を厳に控えるべき人と、自宅待機でも比較的安全な人の判断基準を以下に整理します。
【直ちに避難・予定変更を行うべき人】
・土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域(ハザードマップ赤・黄色ゾーン)に居住している人
・平屋建て住宅や木造アパートの1階に住んでおり、近隣の水位上昇が予想される人
・新幹線や飛行機を利用した長距離移動を予定しており、足止めによる身動き不能リスクを回避したい人
【自宅内での垂直避難・屋内安全確保が適している人】
・ハザードマップの浸水・土砂災害想定区域外にあるRC造(鉄筋コンクリート)マンションの高層階に居住している人
・外の雨風がすでに猛烈を極め、道路冠水により避難所への移動自体が極めて危険な状態にある人