悲劇の舞台となったのは、2017年5月4日に大阪・豊中市立アクア文化ホールで開催されたDDTプロレスリングの公式戦「Road to Ryogoku 2017 in TOYONAKA」でした。この日のセミファイナルで組まれたのは、高山善廣&樋口和貞 vs HARASHIMA&ヤス・ウラノのタッグマッチ。ベテランと若手が激しくぶつかり合う白熱の攻防が展開されていました。
試合開始から約11分が経過した頃、決定的なアクシデントが発生します。高山選手が対戦相手のヤス・ウラノ選手に対して前方回転エビ固め(サンセットフリップ)を仕掛けた際、回転の軌道がわずかにずれ、高山選手は頭部からマットへ垂直に近い角度で突き刺さるように落下しました。体重100kgを超える巨体が頭頂部と首に一気に圧力をかける形となり、その瞬間、頸椎に致命的な衝撃が加わったのです。
技の直後、高山選手は完全に動きを止め、自力で起き上がることができなくなりました。対戦相手のヤス・ウラノ選手が上から覆いかぶさる形で押さえ込み、そのままフォールが宣告されて試合は幕を閉じました。高山選手は意識を保っていたものの「首から下が動かない」と訴え、会場内に張り詰めた空気が漂う中、救急隊によってドクターヘリ・救急搬送される事態となりました。病院での精密検査の結果、下された診断は「頸髄損傷および変形性頸椎症」。プロレス界のみならず、格闘技界全体に激震が走った瞬間でした。