ぬるめのお湯に浸かる入浴は、副交感神経を優位にし、良質な睡眠へと誘う絶好のリセット習慣だ。しかし、目の前数十センチの位置で発光する画面が、その生理メカニズムを根底から狂わせる。
網膜に直接届くブルーライトは、脳の視床下部に「今はまだ昼間だ」と強烈な錯覚を与える。その結果、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が瞬時に抑制される。入浴によって体温を上げながら、脳は交感神経をフル回転させるという矛盾した負荷がかかるのだ。「夜中に何度も目が覚める」「目覚めが重い」という現代人の慢性疲労の陰には、毎晩の浴室での画面注視が隠れている。