インターネット上の簡易的なQ&Aサイトでは、「植物がしおれたらまず水を与え、肥料をあげましょう」といった短絡的な助言が散見されます。しかし、元気のないパキラに対して弱っている最中に肥料や活力剤を与える行為は、浸透圧の急変によって根から水分を奪い去り、トドメを刺す「肥料焼け」を招きます。衰弱時の施肥は厳禁です。
また、日当たりに関しても深刻な誤認が蔓延しています。パキラは「耐陰性がある」と紹介されることが多いため、窓のないトイレや廊下に長期間置かれることがあります。しかし、耐陰性とは「枯れにくい」という意味に過ぎず、「暗闇を好む」わけではありません。日光が不足するとパキラ日照不足の症状として、枝が細長くひょろひょろと伸びる「徒長(とちょう)」が起き、葉の色が褪せて茎を支えられなくなります。だからといって、暗い部屋からいきなり真夏の直射日光下に移動させると、今度は葉の組織が熱破壊を起こす「葉焼け」を引き起こし、葉が白化して壊死してしまいます。光量を増やす際は、レースのカーテン越しから徐々に慣らす段階的アプローチが必要です。
もう一つの見落としがちな盲点が害虫問題です。室内でエアコンの風が直接当たる場所に置かれたパキラは、極度の乾燥に晒されます。この乾燥環境を好んで爆発的に繁殖するのがハダニです。葉のツヤがなくなり、葉裏に粉を吹いたような白いカスや極小のクモの巣状の糸が見られたら、すでに寄生されています。KINCHO園芸などの家庭園芸用殺虫・殺菌ミスト(例:MY PLANTS 虫からやさしく守るミストなど)を葉裏まで入念に散布し、物理的なパキラハダニ駆除と予防を徹底しなければ、葉を食害され尽くして光合成が完全にストップしてしまいます。