カタログスペックだけでは見えてこないのが、実際の乗り味と周囲からの視線です。現場での実証試乗と、利用者の家庭で聞かれたリアルな証言をまとめました。
電動アシスト三輪車:試乗レビューで見えた「二輪車との決定的な操作感の違い」
「二輪の自転車がふらつくようになったから、三輪なら安心だろう」——そう考えて電動アシスト三輪車を購入した高齢者が、乗り始めて数日で納屋にしまい込んでしまう例が多発しています。 実際に編集部で試乗検証を行ったところ、二輪自転車とは根本的に異なる操作感覚が浮き彫りになりました。三輪車には車体を傾けて曲がる「スイング機構」が備わっているモデルが多いものの、低速旋回時にハンドルを切ると、車体外側に独特の遠心力が働きます。二輪車のように無意識に体重移動をしてバランスを取ろうとすると、かえってハンドルを取られてギクシャクし、道路脇の側溝に向かってしまう危険すらありました。 取材に応じた70代男性は次のように語ります。 「自著やパンフレットには『安定感抜群』と書いてあったが、曲がるときに車体が思わぬ方向に流れる感覚があり、最初は恐怖心しかなかった。近所の空き地で1週間ほど八の字走行を反復練習してようやく慣れたが、二輪車からの乗り換えには必ず再訓練が必要だと痛感した」 平坦な直線路での安定性と積載力は圧倒的ですが、傾斜のある道路や路肩の段差を斜めに横切る際、片輪だけが乗り上げて車体が不意に傾く特性があります。試乗なしの一発購入は極めて危険です。
歩道走行可能小型モビリティの評判:街中での高評価と歩行者との軋轢
近年、デザイン性の高さで話題を集めるWHILLなどの歩道走行可能小型モビリティの評判は、利用者と歩行者双方から複雑な声が上がっています。 SNSや知恵袋等のコミュニティ、自治体のモニター調査では、利用者側から「いかにも介護用品という見た目ではないため、外出するのが誇らしくなった」「小回りが利き、スーパーの狭い通路やエレベーターにもそのまま入れる」と絶賛される一方、歩行者側の視点では異なる実態が見えてきます。 「人混みの中を無音で近づいてくるため、ぶつかりそうになってヒヤリとした」「幅が広いため、狭い歩道ですれ違う際に圧迫感がある」といった指摘です。最高速度が歩行者と同じ6km/hに制御されているとはいえ、車体重量が50kg以上ある鉄の塊が接触すれば怪我につながります。「歩行者の仲間」として受け入れられるためには、利用者の過信なき徐行運転が強く求められています。