物語の起点となるのは、両親の他界後に肩を寄せ合って慎ましく暮らしていた榊三兄弟の日常です。長男の直哉が所長を務める探偵事務所は慢性的な資金難に喘いでおり、ある日「夫と浮気相手を別れさせてほしい」という高額報酬の依頼が舞い込みます。切迫した状況を打開するため、直哉はやむを得ず次男の悠斗と三男の颯太をターゲットの懐へと送り込む「別れさせ屋」の工作員として動かす決断を下します。
女性を魅了する天性の色気と巧みな駆け引きを誇る悠斗、そしてピュアな雰囲気で相手の警戒心を解く颯太。性格もアプローチも全く異なる2人が、ターゲットの男女を巧みに誘惑し、関係を破綻させるミッションに挑んでいきます。しかし、他人の恋愛を壊すための「嘘の好意」を演じるうちに、彼ら自身の心にも想定外の波紋が広がり始めます。
単なる依頼遂行のサスペンスにとどまらず、嘘を重ねることで浮き彫りになる兄弟それぞれの孤独やトラウマ、そしてターゲットとの間に芽生える本気の執着と愛情が、息もつかせぬテンポで描かれます。