なごやか亭の暖簾をくぐった多くの客が息を呑むのが、名物「こぼれいくら」の実演です。注文が入ると店内に太鼓の音が鳴り響き、「ヨイショ!」の掛け声とともに軍艦巻きの上にイクラが山盛りに盛られていきます。皿から零れ落ち、受け皿にまでイクラの海が広がるその瞬間は、SNSでも常に話題を集める名場面です。このパフォーマンスは単なる見世物ではなく、使用されているイクラ自体の皮の薄さと絶妙な醤油漬けの味付けが際立っており、口に入れた瞬間に上質な旨味が弾けます。なお、静かに食事を楽しみたい方向けには、掛け声なしの提供にも柔軟に対応してくれる配慮が行き届いています。
日々の仕入れによって表情を変えるなごやか亭のおすすめネタも見逃せません。釧路港などから直送される「真イカ」「釧路産大トロいわし」「生サンマ(季節限定)」は、青魚特有の臭みが一切なく、脂の甘みが舌の上でとろけます。また、白身魚の王道である「活〆鯛」や「極上天然まぐろ」、厚岸(あっけし)産の牡蠣を使用した握りなど、季節の味覚が黒板メニューにずらりと並ぶ光景は圧巻です。
昨今の原材料費や物流コストの高騰を反映し、現在の価格設定は1皿およそ160円(税込176円)から最高峰の900円台(税込)までの皿別グラデーションとなっています。100円均一チェーンと比べれば客単価は高め(1人あたり2,500円〜4,500円程度)になりますが、口に運んだ瞬間のネタの厚みと鮮度を考慮すれば、費用対効果の高さに誰もが納得するはずです。平日の開店から14時頃まで提供されているランチタイムの限定セットや、日替わりの汁物(アラ汁や花咲ガニの鉄砲汁)を組み合わせることで、手頃な予算で極上の満足感を得ることも可能です。