新体制移行後、多くの有名タレントが個人事務所を設立し、STARTOとのエージェント契約へ舵を切りました。この現象の背景には、タレントの表現の自由度向上だけでなく、極めて合理的な税務および金銭的動機が存在します。
従来の専属マネジメント契約では、どれほど活躍しても事務所側がプロモーション費や後輩育成費、巨大インフラの維持費を賄うため、売上の相当割合をマネジメントフィーとして差し引いていました。しかし、エージェント契約に切り替えることで、タレント側が自前の法人を通じて仕事を請け負う形となり、事務所への手数料を15〜20%程度に圧縮することが可能になります。
その結果、手取り総額は従来のマネジメント契約時代の2倍から3倍近くに跳ね上がるケースも珍しくありません。自前でマネージャーを雇用し、移動車を手配し、税理士や弁護士を抱えるランニングコストは発生するものの、年間売上が数億円に達するトップスターであれば、法人化してエージェント契約を結ぶ方が圧倒的な手残り資金を確保できる計算になります。
一方で、この構造変化は過酷な自己責任論も孕んでいます。営業開拓、スケジュール調整、不祥事発生時のクライシス対応に至るまで、事務所という巨大な防波堤なしで立ち回らなければなりません。ネームバリューと強固なファン基盤を持つ者だけが莫大な果実を享受できる一方で、知名度や自己プロデュース力に乏しいタレントにとっては、エージェント独立は収入急減の危険を伴う諸刃の剣でもあります。