まずは基本となる定義から確認していきましょう。恋のABCステップと進行度は、男女の肉体的な親密さが深まるプロセスをアルファベットの並びになぞらえたものです。直接的な言葉を口にすることがタブー視されていた時代において、思春期の若者たちが照れ隠しや仲間内のサインとして重宝していました。
広く共有されていた公式的な基準は以下の3段階です。
- A(キス):唇と唇を重ねるファーストステップ。頬へのキスではなく、本格的な口づけを指すケースが一般的です。
- B(ペッティング):衣服の上からの接触や愛撫など、キスから一歩踏み込んだ濃密なスキンシップ全般。胸や体に触れる行為を含みます。
- C(セックス):性交渉そのものを指す最終段階。当時の若者コミュニティでは「Cまでいった=完全に結ばれた」という意味で語られました。
思春期の学生たちにとって、友人同士で「あいつら、どこまで進んだ?」「まだAらしいよ」と探り合う会話は、当時の日常的な光景でした。性教育が形式的でオープンに語られなかった昭和中期から後期にかけて、この符丁はプライベートな進展度合いをぼかしつつ伝えるための実用的なコードとして機能していたのです。