小児科や耳鼻咽喉科の臨床現場では、スギ花粉症の発症年齢の早期化が顕著な課題となっています。かつて花粉症は「大人の病気」とされ、子どもが発症する場合でも小学校高学年以降が主流でした。しかし、近年の全国疫学調査によると、5歳未満の幼児におけるスギ花粉症の有病率は10%を超え、小学生では40%以上に達しています。
SNSや保護者のコミュニティでも、「2歳の子どもが春になると目を真っ赤にしてこすり、鼻血を頻繁に出す」「風邪だと思って小児科に行ったらアレルギー性鼻炎と診断された」という声が日常的に見受けられます。子どもは大人と異なり、「鼻が詰まる」「目がかゆい」という感覚を言葉で正確に表現できません。そのため、以下のような行動変化が花粉症の初期サインとして現れます。
- 目を頻繁にこする・パチパチと激しくまばたきをする
- 手のひらで鼻を下から押し上げるようにこする(アレルギー性敬礼)
- 口呼吸が増え、夜間にいびきをかいたり眠りが浅くなったりする
- 鼻の粘膜が腫れて充血し、頻繁に鼻血を出す
- 日中の集中力が低下し、機嫌が悪くなりやすい
これらのサインを放置すると、睡眠障害による成長ホルモン分泌の低下や、慢性的な口呼吸による歯並び・顎の発育への悪影響、中耳炎・副鼻腔炎の併発など、子どもの発達全体に影響を及ぼすリスクがあります。