購入者の落胆を生む最大の要因は、クラシカルな車格と実際の動力性能とのギャップにある。堂々たるフルサイズクルーザーの佇まいとは裏腹に、心臓部は249ccの排気量に留まる。最高出力は約20馬力。街中を時速50キロ程度で流す分には豊かな鼓動感を味わえるものの、高速道路の合流や登坂車線ではスロットルを全開近くまで捻り続けなければならない。大型バイクのような余裕あるトルク感を期待して乗り出すと、追い越し時のもどかしさに肩を落とすことになる。
維持費に関しても誤解が少なくない。車検が存在しない軽二輪規格ゆえに「維持費はほぼタダ同然」と高を括る初心者もいるが、経年劣化した車体を維持するコストは決して小さくない。キャブレターの同調不良、フロントフォークのオイル漏れ、さらにはゴムパッキン類の硬化など、定期的なメンテナンスを怠れば出費は跳ね上がる。維持費の安さだけに目を奪われ、適切な整備予算を確保していなかった層ほど、購入後に後悔の念を抱きやすい。