では、現場で二つの異変をいかにして見極めればよいのか。命を救う見分け方の決定版として世界中で普及が進むのが、日本脳卒中学会も強く推奨する「FAST法(脳卒中早期発見指標)」の活用である。この指標は、頭文字をとった3つのテストで急変の正体を瞬時にあぶり出す。
「F(Face:顔)」は笑顔を作らせたときに顔の片側が下がるかどうか。「A(Arm:腕)」は両腕を前方に水平に上げた際、片方の腕が自然に下がってしまうか。「S(Speech:言葉)」は簡単な短い文章(例:「今日はいい天気です」)を滑らかに発音できるか。そして「T(Time:時間)」は、これら1つでも症状が出た瞬間に、時計を確認して直ちに対処へ動くべきという合図だ。身体が熱を帯びていても、このFASTテストで異常が認められた場合は熱中症ではなく脳血管の緊急事態である可能性が高い。