ネット上の掲示板やSNSでは「神宮と大社はどちらが上なのか」「大社より神宮に参拝したほうがご利益が高いのか」といった優劣論争が度々巻き起こります。しかし、神道の教義において社号の違いによるご利益の多寡や個人的な上下関係は存在しません。
参拝の優先順位において最も避けるべき誤解は、「遠くの有名な神宮や大社ばかりを参拝し、自宅周辺の小さな神社を軽視する」という姿勢です。神社神道が古来大切にしてきた秩序において、参拝順序の基本は極めて明確に定義されています。
最も優先されるべきは、自分が生まれ育った土地や現在住んでいる地域を守護する「氏神神社(うじがみじんじゃ)・産土神社(うぶすなじんじゃ)」です。日常の無事や地域社会への感謝を氏神に捧げた上で、地元の中心的な大社や一宮(いちのみや)を訪れ、人生の節目や感謝の奉告として伊勢神宮や各地の神宮へ参拝するのが本来の作法です。